花鳥風月

届かない叫び声を。聞かないフリしてた。

「もうすぐ死ぬの」と　告げる悲しさ

どうして隠して微笑ってるんだ？

今のお前に　　俺は見えるか？

見えたら頼む。泣いて欲しんだ。

虚勢を俺には見せないでくれ。

お前が涙に暮れてくれれば

病院（ここ）からお前を連れ出せるから。


お前と一緒にながめる海は。
未だ暗闇　　もうすぐ日の出

ようやく朝日が顔出した頃、お前は一言感謝を述べた。

直後感じる鉛の重さ　冷めたその手を握ってもみた。

たった１５のお前の生命（いのち）が　こんなすぐに終わるだなんて。

　　信じられるはずがない。　　お前のいのちが終わったなんて。

　　　　　　　　　　　…俺は、信じない。

涙で濡れる感触は、気のせいだと思いたかった…